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ダニスコ社が新フィターゼ『ファイザイムXP』でセミナー フィチン酸をより迅速に分解

2017.06.15発行
 米国デュポングループのダニスコ社(本社・デンマーク)の日本法人、ダニスコジャパン梶i本社・東京都千代田区永田町2−11−1)は5月19日、ダニスコ社が開発し、このほど日本国内での販売が始まった新しいフィターゼ『ファイザイム(Phyzyme)XP』について紹介するセミナーを東京都千代田区の山王パークタワーで開き、飼料畜産業界関係者ら約100人が出席した。
 デュポン日本法人のデュポン梶i本社・同)の田中能之社長があいさつし、ダニスコ社のミラン・ルービー博士が「家禽用飼料と豚用飼料におけるファイザイムXP TPTの機能とマトリックス(配合設計)」と「米国での実績・フィターゼとNSP(非でんぷん多糖類)分解酵素の組み合わせによる効果」、ダニスコジャパンの澤田久美子テクニカルサービスマネージャーが「オプティマイズフィードサービスを利用した最適な酵素利用法」、同製品の国内販売代理店となった飼料用プレミックスメーカーの日本ニュートリション梶iJNC)管理第二ユニット品質保証チームの長島太郎チーム長が「JNCにおけるプレミックス製造方法と品質管理方法」をテーマに講演した。
 田中社長はあいさつの中で、近年はバイオテクノロジーにも力を入れているデュポンの事業概要に触れ、ダウ・ケミカルとの合併については「承認の最終段階に来ており、今年8月1日から9月1日の間に対等合併による持ち株会社のダウ・デュポンを設立し、その後18か月以内に『農業関連』と『素材科学』、フィターゼなどを含む『特殊化学品』の3事業会社に分割する計画となっている」と説明した。
 ファイザイムXPは、バイオテクノロジーによって、酵素「フィターゼ」の産生にかかわる大腸菌遺伝子を組み込んだ酵母に生産させた、細菌由来のフィターゼ。人間にとって必要な物質を遺伝子組み替え微生物に生産させる技術は、酵素や薬品、ワクチンの生産分野を中心に既に実用化されている。ファイザイムXPは、初の細菌由来のフィターゼとして米国では03年に承認され、その後はEUやカナダでも承認。日本では12年間の審査を経て今年承認された。
 日本で販売予定の商品は、独自のコーティング技術によって95度Cまで加熱しても壊れにくい構造を持っているためペレット加工に向く『ファイザイムXP TPT(顆粒状)』【写真下】と、ペレット加工後添加用の『ファイザイムXP 5000L(液体)』の2種類があるとのこと。配合飼料1キログラム当たり250〜1000FTU(フィターゼの添加単位)を添加する。
 フィターゼは、生物にとって有用なリンの貯蔵庫≠フ役割を持っている「フィチン酸」を分解して、リンを放出させる性質を持つ酵素。フィチン酸は穀物や豆類などの飼料原料に多く含まれ、リンのほかミネラルや、たんぱく質(アミノ酸)にも結合して離さない性質があるため、これをフィターゼで分解することで、鶏や豚の飼料の利用効率や生産性が向上する。
 ファイザイムXPの特徴についてルービー博士は、従来の真菌由来のフィターゼに比べて@たんぱく質や、カルシウムなどのミネラルをフィチン酸から放出させる能力や、酸性が強い消化管内での活性がより高いA消化管内のペプシンなどの、たんぱく質分解酵素に分解されるといった影響がより低いB消化スピードが非常に早い鶏の体内でも間に合うほど、フィチン酸を急速に分解できるC特にリンを多く(6つ)持っているフィチン酸「IP6」を、より選択的かつ迅速に分解するDフィチン酸が特に多い米ぬかや菜種かすなどを多用している飼料で500FTU以上添加すると、エネルギー利用効率の改善幅も大きくなる――ことなどを、各種の実験データをもとに解説した。
 米国での実績については、ファイザイムXPと、鶏用の繊維分解酵素『アビザイム1502』を、ロス708やコッブ500の飼料に同時添加した場合の、飼養成績や消化率の改善効果などを調べた米国での試験結果を紹介した。
 澤田氏は、最も効果的なファイザイムXPの添加量を検討する際に活用できる、ダニスコ社のオンライン上の飼料設計計算ソフト「オプティマイズフィードサービス」を紹介。
 同サービスにインプットされている基礎データや係数は、実際の家畜(鶏ではブロイラー)での消化試験をもとにしており、鶏と豚の生育ステージや飼料設計の違い、配合飼料中のフィチン酸の量、原料価格などに応じて、ファイザイムXPを添加した場合の最適なマトリックス値(配合設計)が得られる。澤田氏は飼料設計担当者向けに、同サービスを実際に動かして、具体的な使い方や、推奨する添加方法などを説明した。
 長島氏は、ファイザイムXPの国内販売代理店となったことを紹介するとともに、HACCPの制度化の動きや、薬剤耐性菌の発生など飼料畜産業界を取り巻く状況、同社の飼料用プレミックス製品の品質管理体制などを説明。ファイザイムXPについても「安全性がしっかり評価され、非常に良い製品となっているが、これを届ける段階で製品の品質を崩せば、本日のセミナーで取り上げられた内容も意味がなくなってしまう。弊社では細心の注意を払って、プレミックスを製造し、安定供給を図っていく」とした。



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