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鶏卵・鶏肉の消費拡大へ 種鶏輸入のコンパートメント確立も

2016.07.25発行
 日本は人口減と高齢化が最も進んでいる国の一つであり、養鶏産業においても消費減退や人手不足が深刻化している。
 ただ、卵は最高のたんぱく質供給源であるほか、各種のビタミン、ミネラルも含み、健康面で欠かせない食品として、広く消費者に認知されている。
 これまで、卵のコレステロールに関する誤解が、消費の拡大にとって大きなネックとなってきたが、厚生労働省は昨年、蓄積された知見を基に「日本人の食事摂取基準」から、コレステロールの摂取目標量(上限値)を撤廃した。これまで“コレステロールを多く摂ると(心臓病などの)動脈硬化性疾患発症のリスクとなる”との見解を示してきた日本動脈硬化学会も、厚労省の新基準について「健常者の脂質摂取に関するこの記載に賛同している」と表明した。今年発行された「米国人のための食事ガイドライン」改訂版(2015−20年)でも、それまで「1日300ミリグラム以下」としていたコレステロールの摂取基準値が削除され、最大の懸念材料が払しょくされたところである。
 さらに、卵を食べることによって、満腹感やダイエット効果が得られることや、卵に含まれるコリンなどの機能性成分の有効性も徐々に解明され、今後も工夫と努力によって、卵の消費を拡大できる余地はまだまだ大きい。
 鶏肉も、他の食肉に比べ安価で高たんぱく・低脂肪。良質なたんぱく源やビタミン、コラーゲンが豊富で、高齢者向けにも優れた健康食品であることが見直されてきている。近年は、抗酸化作用を持つイミダゾールジペプチド(アンセリン・カリノシン)を多く含む食品として、むね肉が注目され、その機能として抗疲労効果、うつや認知機能の改善効果、抗ガン作用などが科学的に解明されつつある。
 このように、鶏卵・鶏肉とも、飼料効率が良く、栄養的・健康的にも優れているだけでなく、宗教的な制約もほとんどないことから、世界的にも需要が伸び、鶏卵・鶏肉産業は成長産業と認識されている。国内では景況感が悪化し、再びデフレ傾向も強まるとされる中で、安全・安心かつ安価な国産鶏卵・鶏肉の一層の普及・浸透と消費拡大を図り、ピンチをチャンスに変えたい。
 一方、深刻になりつつある人手不足に対しては、それぞれの段階で合理化・省力化を進めるだけでなく、各方面の協力により、喜んで働ける職場環境をつくる必要がある。昨年10月、包括的な市場アクセスを内容とするTPP交渉が大筋合意した。TPPは、2年以内に全参加国の議会で承認されるか、GDPの合計が85%以上を占める6か国以上で承認されると発効するが、各国の議会承認もあって発効時期やその影響は不透明となっている。ただ、いずれにしても輸入増加と国内価格の抑制要因として働くため、対策として予算化された畜産クラスターや各種の予算を活用し、合理化・省力化とコストダウンにつながる生産・流通設備の導入などに取り組まなければならない。
 TPP対策の実現には、業界の結束した働きかけが必要で、業界団体はいま一度襟を正し、一致団結して事に当たる必要がある。
 今冬は幸いにも、鳥インフルエンザ(AI)の発生はなかったが、近隣諸国や欧州、北米で発生が続いている。各自がバイオセキュリティを強化し、万全の防疫対策を徹底する必要があると同時に、養鶏産業の基礎となる鶏種を海外から輸入しているわが国としては、安定した原種鶏や種鶏の輸入につながるコンパートメント制度を、各国と協議して早急に実施しなければならない。



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