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TPP協定に参加12か国署名 農水省はTPP対策Q&Aで説明強化

2016.02.25発行
 TPP(環太平洋経済連携協定)参加12か国は2月4日、ニュージーランドで協定文に署名した。各国は今後、国内の承認手続きに入るが、日本も今国会に関連法案を提出して成立を目指す。
 昨年10月の大筋合意を受け、政府は『総合的なTPP関連政策大綱』に基づき、農畜産物の重要5品目対策を中心に、平成27年度補正予算や28度予算で農業関連対策を打ち出し、特に『産地パワーアップ事業』(505億円)や『畜産クラスター』(610億円)に重点配分した。
 農林水産省では、昨年から、ブロック別や都道府県別の説明会を開いてTPP関連情報を発信してきたが、このほど、これまでに出された質問と回答をまとめた『農政新時代キャラバンQ&A』と『品目別TPP対策』のパンフレットを同省のホームページに公開した。
 品目別TPP対策のうち、畜産関係分野では、牛肉、豚肉、乳製品、鶏肉、鶏卵の生産額の影響試算や、重要5品目に含まれる牛肉、豚肉、乳製品の経営安定対策内容を紹介しているほか、予算計上している『攻めの農林水産業への転換(体質強化策)』についても紹介している。
 このうち、畜産クラスター事業は、複数年にまたがる事業を認め、効果的に支援するために基金化した。また施設整備事業で多様な担い手を支援できるようにするほか、機械導入事業は集中的な支援を行なうために都道府県の関与を強化し、全国1団体で統一的に実施して、協議会が優先順位を決定していくように見直すとしている。
 ただ、これについては、畜産クラスターの機械リース事業の事業実施主体として認められていた全国11団体(ホクレン、全農、全酪連、全開連、全畜連、全日畜、全鶏連、養鶏協会、肉事協、草地協、養豚協会)が1団体(中央畜産会)と各県畜産会になることによって、予算の大半が牛や豚、酪農に取られ、鶏(採卵鶏や肉用鶏)に回らなくなることや、仮に回ってきても時期が遅くなるとの心配の声が関係団体から出されている。
 ただ、重要5品目に含まれる牛肉、豚肉、牛乳・乳製品が中心の対策は具体的だが、鶏卵や鶏肉の対策などは「TPP参加国からの輸入は少なく、TPP合意による影響は限定的と見込まれる」としているためか、重要5品目以外の品目についての踏み込んだ対策は示されていない。
 農林水産省『農政新時代キャラバンQ&A』では「現時点で必要な体質強化対策・経営安定対策を明らかにした一方で、農業の成長産業化を一層進めるために必要な施策については、中長期的な視点からさらなる検討が必要であるため、平成28年秋をメドに政策を取りまとめる」としている。
 また、この中で飼料用米については「食料・農業・農村基本計画の生産努力目標である、平成37年度110万トンの実現や、日本再興戦略改定2015における『10年後に生産性を2倍に向上』との目標達成に向け、生産コスト削減や単収増を図りながら推進する」とし、飼料用米への支援の継続期間や額は明示していないものの、「しっかりと必要な支援を行なっていきたい」と答えている。
 配合飼料価格安定制度の安定運営のための施策については「平成27年度末の配合飼料価格安定制度の財源として約1016億円を確保しているが、過去の配合飼料価格の高騰時、生産者への補てんに当てるために行なった借入金残高が同じく27年度末に約704億円(見込み)となっている。この借入金については、基金加入者の継続積み立てにより、補てんのための一定の財源を確保しつつ、従来通り計画的に返済し、制度の安定運用を図っていくことにしているほか、今後、競争力強化策や経営安定対策の充実との関連性も踏まえつつ、様々な観点から検討していく」としている。
 TPPは署名から2年以内に12か国が国内手続きを完了すると、完了から60日後に発効する。
 また、手続き完了が2年を超え、12か国すべてが承認しない場合でも、国内総生産(GDP)総額の85%以上を占める6か国以上が国内手続きを完了すれば、その60日後に発効することになっている。特に、日米のGDPは全体の約8割を占めていることから、協定の発効には両国の承認が必須とされている。
 ただ、一貫してTPP交渉を担ってきた甘利明TPP担当大臣が政治資金問題で辞任し、後任にこれまでの交渉とは直接関わりがなかった石原伸晃元環境大臣が就任したことから、今後の国会審議に影響することも考えられる。
 また、協定発効から7年後に、相手国の要請があれば、米国など5か国と、重要品目を含むすべての農産物関税について「再協議」するとの規定が盛り込まれている。政府は現在、TPPによる関税撤廃率は「他の11か国は99〜100%に対し、日本は95%、農林水産分野は81%で国益は守られた」としているが、再協議によって、さらなる引き下げを求められる可能性を懸念する声もある。
 これについて『農政新時代キャラバンQ&A』では、再協議は全品目(農産物だけでなく鉱工業品も含む)を対象に再協議するもので、「協議が整わなければ内容の変更は必要なく、全品目が対象なので守り(農産物)と攻め(自動車など)を一体とした交渉が可能である。TPP交渉は、全体の分野を通じたバランスを配慮したギリギリのところで大筋合意に至ったもので、協定発効後に何らかの協議を行なう場合であっても、このような経緯、バランスを十分踏まえ、しっかり対応していく」としている。



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