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川上から川下まで“人手不足”顕著に 食鳥協理事会で鶏肉の需給動向など報告

2015.06.25発行
 (一社)日本食鳥協会(佐藤実会長)は6月3日に理事会を開き、定時総会に上程する議案などを了承した。
 冒頭あいさつした佐藤会長は、食鳥産業の状況について「相場は非常に良い価格で推移しているが、小売りの人にとっては厳しいかもしれない。生産面では人手不足が一番のネックになっており、処理場では細かい仕事ができない状況である。需要がついてきて品不足になっているのではなく、人手不足のために産地で生産できないことが品不足を招いている。8月くらいまで相場は弱含みで推移するとみられるが、急激な下げはないと思う」などと述べた。
 鶏肉の需給動向などについては、各部会から次のように報告された。
 ▽生産加工部会=3月以降、生産成績は各社とも良くなっているが、生産に占める飼料コストの比率が高まっている。共通の話題は人手不足で、外国人実習生の滞在期間の延長や、生産分野への枠拡大などの要望が出ている。
 販売状況は各社とも順調で、在庫もあまりないため、年末に向けた骨付きももの冷凍保存がなかなかできていない。もも肉相場は、本来の需給からいえば、もう少し高くてもよいのではないか。できるだけ600円以下にならないことを望んでいる。建築コストが高騰しているため、鶏舎の建て替えなどには取り組みにくい。
 ▽荷受部会=ゴールデンウイーク後は前年並みに売れているが、一部で手羽もとが厳しい。もも肉は一部が凍結に回るかどうかで、生鮮で売り切っているところが多い。荷受間の取引が少しずつ増えてきている。ただ、このままいくと年末のもも肉の玉がほとんどない。もも肉相場は600円を切っても、下げは580円程度までで底堅いとみている。
 荷受も1次加工、1.5次加工に取り組むなど、産地での人手不足を補おうとしているが、7品目以外の肩こにく、こにく、せせりなどの商品化は全くできていない。人手不足で操業できない焼き鳥の串刺し工場も出ており、荷受にとっても深刻な問題である。
 骨付きももは年末に向けて大変厳しい状況で、数量限定や値上げで対応している。USレッグの輸入が厳しいことや、KFCがすべて国産にすると打ち出したことが背景にある。量販店に骨付きももの代替アイテムを聞くと、ドラムとサイのフライドチキン、半身や4分の1カットの焼き、揚げなど。ファストフード関係が手羽もとのアイテム充実のために年末に向けてすでに動いており、手羽もとも不足するのではないか。
 むね肉は加工向け、家庭向けとも順調である。冷凍に流れているのが350円以上で、凍結して売ったほうが実になるかもしれない。むね肉の需要は一過性のものではないと判断している。家庭では最近、むね肉の蒸し鶏などが主流になっており、地に着いた需要がある程度見込まれているのではないか。むね肉は年内一杯、足りない。
 7品目の中で一番苦労していたレバーは、大手メーカーがしぐれ煮などのメニュー開発を進めており、すでに原料を集めている荷受もある。食鳥協会が発行した「国産鶏肝試し」が需要の喚起に役立ったのではないか。
 ▽小売部会=末端小売りは、ゴールデンウイークまでは好調だったが、以降はいまひとつ。業務卸は、4月は良かったところと悪かったところがあったが、5月に入り全体的に良くない。相場高に加えて円安によるコスト上昇、人手不足による賃金の値上げなど厳しい環境の中で、価格にどのように転嫁していくかの話が出た。末端小売りでは加工品を中心に値上げしたが、今のところ売り上げにはさほど影響ないとのこと。業務卸ではすでに値上げしたところもあるし、これから交渉するところもある。スーパーなどは値上げにある程度の理解を示したが、どこまで値上げできるかへの不安もある。焼き鳥屋や居酒屋にはなかなか理解が得られない。
 品不足の問題が非常に大きく、もも肉、むね肉以外の品物が思うように入ってこない。業務卸ではその他の品物で利益を確保している面もあるため、非常に厳しい。このままだと業務卸が成り立たないとの悲痛な話も出ている。生の串やカット肉、ミンチなど国産志向の高まりからオーダーが増えているが対応しきれない。仕入れ価格を明示しながら産地や荷受と交渉しなければならない。人手不足で最低賃金が上昇しており、経営を苦しくしている。
 ▽種鶏ふ卵部会=コスト割れが続いており、ひなの値上げをお願いしたい。このまま続くと廃業する会社が出てくるし、需給バランスが崩れる。ひな価格が上がらなければ、無理して作らなくなるため、特に10月のひなは不足気味に推移するようになるのではないか。
 6月はえ付け羽数が1年で一番少ない時期だが、今年は多くなるのではないか。7月も例年に比べて増える見込み。これは年末に向けた肉の確保と、コマーシャルで大腸菌症がまだ問題となっていることを加味しているのではないかとみている。卵を拾う人員が不足しており、確保できなければ品質に問題が出てくるかもしれない。
 全国的にオガクズが手に入らないし、入ったとしても値段が高い。ほとんどがバイオマス発電に使われている。モミガラも連動して不足しており、今年の米の収穫後には1年分を確保するための倉庫も含めて取り合いになるのではないか。



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