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変革が求められる養鶏産業

2001.07.25発行
 自立した採卵養鶏家の組織を
 21世紀に入って、わずか半年しか経過していない中で、レイヤー、ブロイラー業界にも予期せぬ出来事や変革の波が押し寄せ、判断を誤ると、生き残ることすら危うくなりそうである。
 変革の波の1つは中国で、怒濤のように押し寄せるチルド鶏肉と鶏肉調製品によって、国内の鶏肉業界はいまにもおぼれそうであった。また、昨年3月からほぼ週20トンぺースで輸入された中国卵は、96%の自給率を誇っていた鶏卵業界に大きなショックを与えた。
 セーフガードが発動されて注目されている中国野菜は、98年8〜9月に日本列島を襲った台風と長雨で、年末年始に出荷されるキャベツが品薄になり、国内価格が2倍に高騰、農水省が価格冷却のために400トン強を中国から緊急輸入したことが契機になった。この時の輸入パイプがその後より太くなり、円高による輸入価格の低下、鶏肉をモデルとした日本企業(商社やスーパーなど)の開発輸入とあいまって、それまでの価格の安さだけでなく、品質も国内産と遜色がなくなって、怒濤のように押し寄せたわけである。
 低きに水は流れるが、物は高きに流れる。鶏肉や野菜がそうであったように、鶏卵も、2年続いた国内の好卵価が狙われた。
 これまで卵は、日本人の生食文化に支えられ、鮮度や品質に対する強いこだわりなどが非関税障壁となって、卵だけは大丈夫と言われてきた。しかし、こうした安心感は吹き飛んでしまった。
 スーパーや外食産業でも、国内のデフレ現象が進む中で激しい価格競争を展開し、なりふりかまわず安い食材を求めている。加工(割卵)向けだけでなく、輸入野菜が開拓した輸送ルートに乗せて、テーブルエッグとして輸入販売する可能性も検討されたと聞く。
 こうした動きによって、これまでの日本の国内だけを考えた需給調整や価格維持のあり方に変革が求められている。輸入はあり得ない、との前提で進めてきた仕組みから、輸入が不可避との前提で、新しい国内の需給調整や羽数枠問題、価格のあり方を根本的に考え直す必要があるのではなかろうか。
 同時に、国際価格に近づける生産・流通の研究、さらには、安全・安心に加えて、価格が多少高くても消費者が確実に選んでくれる国産の方途を見つける必要がある。
 もう1つの大きな波も中国で、トリインフルエンザの発生である。インフルエンザの権威者の話では、中国はインフルエンザの常在発生源国で、ある地域が清浄化しても、同国の奥地でまた新たな発生が起こって汚染が広がり、決して清浄化されることはないのではないか、とも言われている。仮に今回の家きん類の輸入一時停止が解除になっても、今後も絶えず中国からのトリインフルエンザの脅威が続く可能性が高いということで、目が離せない。
 野放しに近い愛玩鳥やダチョウのわが国の検疫体制の強化が緊急に求められる。このほか、渡り鳥経由の侵入ルートがある。放し飼いの鶏や愛玩鳥、アヒル、ダチョウなどはトリインフルエンザに最初に感染する可能性が高い。さらにトリインフルエンザ対策としてのワクチンの使用はむつかしく、徹底淘汰しかない現在、いったん侵入すると、産業は壊滅的な打撃を受けることになる。大きな産業規模となった国内の養鶏産業を守るためにも、レイヤー、ブロイラー業界挙げて国の支援も受け、緊急時のための防疫互助基金制度の創設を急ぐ必要がある。
 大きな変革への対応に何より重要なことは、事が起こった場合の素早い対応である。そのためにも、業界としての意志表示、行動が素早くできる組織として自立した採卵養鶏家の組織の確立が強く求められる。
 『先送り』が後世への元凶とならないようにするためにも、すべてをわが事と考え、一丸となって問題に取り組み、1つずつ解決することによって、おのずと道は拓けると信じる。



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