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ライオンエッグは生でも大丈夫 英国食品基準庁がお墨付き

2017.10.25発行
 英国食品基準庁(FSA)は10月11日、鶏卵の食べ方についての勧告内容を変更し、『英国のライオン品質コード(British Lion Code of Practice)に基づいて生産された鶏卵(ライオンエッグ)は、生または半熟の状態で、幼児、子ども、妊婦、高齢者も安全に食べられる』と発表した。同庁の発表内容は次の通り。

@鶏卵の安全について新たな知見

 最新の科学的な研究成果に基づく今回の改訂は、(幼児、子ども、妊婦、高齢者ら)食中毒になりやすい、または、より重篤な症状に陥りやすい人々も、生または半熟状態の鶏卵や、それらを含む食品を安全に食べられることを示したものだ。
 我々(FSA)はこれまで、卵には重篤な症状を引き起こす可能性があるサルモネラ菌が含まれていることから、これら食中毒になりやすい人々は、生または半熟状態の鶏卵を摂取すべきではない、と勧告してきた。
 勧告の変更を決定したのは、食品の微生物学的安全性に関する諮問委員会(ACMSF)が立ち上げた専門家グループが、鶏卵の安全性について2015年2月にまとめた研究成果による。翌16年7月に発表された同成果の報告書では、「英国産の卵のサルモネラ汚染率は近年、劇的に低下し、ライオン品質コードに適用されている食品安全管理に基づいて生産された卵については、(食中毒の)リスクが『非常に低い』」としている(編集部注…報告書は181ページにわたり、鶏卵によるサルモネラ食中毒のリスクに関する様々な科学的研究成果をまとめており、結論として「ライオン品質コードまたはこれと同等の包括的なスキームの下で生産された英国産の殻付き鶏卵のリスクレベルは『非常に低い(VERY LOW)』、その他の殻付き卵のリスクレベルは『低い(LOW)』と考えられる。リスクレベルが『非常に低い』卵とは、生または半熟状態で、入院患者やグループホームの入所者ら、より食中毒になりやすい人を含む社会のすべての人に提供できることを意味する。この提言はライオンエッグ以外の卵またはライオン品質コードと同等のスキーム下で生産されていない卵には適用されない」と答申し、FSAの勧告の変更を推奨している)。
 英国の鶏卵の90%以上が現在、このライオン品質コードに基づいて生産されている。
 FSAのヘザー・ハンコック議長は、「食中毒になりやすい人々についても、ライオンマークがついていれば英国産の卵を固ゆでせずに食べられるようになるという良いニュースだ。FSAはこれらの卵の安全性について、科学的なエビデンスを徹底的に再検討し、消費者向けの勧告内容を変更できると確信した。
 ライオンエッグのサルモネラ混入リスクが大幅に減ったのは、鶏卵生産者がこれまで取り組んできたことの証だ。採卵鶏へのサルモネラワクチン接種から、農場衛生管理の向上、輸送管理の改善まで、彼らが導入してきた方策が、英国の採卵鶏におけるサルモネラ汚染レベルを劇的に減少させた」と述べている。
 ライオン品質コードのスキーム(基準)では、採卵鶏へのサルモネラワクチン接種、サルモネラ検査の強化、農場衛生の改善、効果的なネズミ管理、第三者機関による審査とトレーサビリティの確保、農場から店頭までの低温輸送などを定めている。

A勧告対象の例外について

 ただし、今回改訂された勧告は、医師ら専門家による栄養指導を必要とするなど、免疫力が著しく損なわれた人には適用されない。また、ライオン品質コードに基づいて生産された卵にのみ適用される。
 ライオン品質コードに基づかない英国産の卵や鶏卵以外の卵、英国外から輸入された卵を、食中毒になりやすい人が食べる場合は、常に完全に加熱しなければならない。

B消費者への勧告

 卵を生または半熟状態で食べる場合は、「冷蔵庫など、低温で乾燥した場所で確実に保管する」「キッチンでは、交差汚染を避ける、調理場や調理器具、食器を清潔にする、卵を扱う前後は手をしっかり洗うなど、推奨されている衛生管理に従う」「賞味期限を確認する」こと。

英国のライオン品質コードとライオンエッグ

 英国では、1980年代からサルモネラ食中毒が増加し、1988年に、当時のエドウィナ・カリー厚生大臣が「鶏卵はサルモネラに汚染されている」と発言したことをきっかけに、鶏卵消費量が急減した。このため、1998年に鶏卵業界が率先して、以前の安全基準を強化し、サルモネラ・エンテリティディス(SE)ワクチンの接種義務化を伴う厳格な生産基準「ライオン品質コード(ライオンエッグのための実践規約)」を作成。
 当初は、サルモネラ対策が最大の目的だったが、食品衛生・品質管理・表示に関する基準や、英国とEUの『養鶏でのサルモネラ管理に関する指令』、同司令の改定版、『人獣共通感染症に関する指令』、飼料の『英国農業産業連合の共通飼料保証基準』(UFAS)、EUの従来型ケージ禁止令に関連する規約なども取り入れ、さらに最新の科学的知見や生産現場の実情、消費者の要望にも基づいて定期的に改定し、進化を続けている。
 『ライオン品質コード』に参加する鶏卵生産者は、英国鶏卵産業協会(BEIC)との間で、すべての育成種鶏場、採卵種鶏場、孵化場、若めす育成場、成鶏農場、GPセンター、飼料工場で、定められた基準に基づいて生産されたサルモネラフリーのひな、エサ、卵を使用するとの契約を結び、BEICが認可した第三者機関による審査と認証を受ける。これらを経た卵だけ『ライオンエッグ』となり、登録商標のマークをつけることができる。
 現在は消費者からの支持も圧倒的で、スーパーマーケットの卵売り場には、ほぼライオンエッグしかない状況。
 このことが、他国産のテーブルエッグの輸入阻止につながっていると同時に、圧倒的なバイイングパワーを持つスーパーマーケットチェーンに対する生産者主導の価格形成の維持に役立っているとされる。



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