肉用名古屋コーチン『NGY7』系統開発 愛知県農業総合試験場

愛知県農業総合試験場は2月17日、同県が誇るブランド鶏「名古屋コーチン」の肉用系統として、平成3年に開発した「NGY3」系統に代わり、発育と産肉性がより優れた『NGY7』系統を開発したと発表した。
名古屋コーチンは、明治時代に作出・確立された、日本三大地鶏の一つに数えられる地鶏。県が使用している系統名「NGY」は、名古屋(NaGoYa)の頭文字。「NGY1」は大正8年に、明治時代からの在来系統を改良して開発した。
県農業総合試験場は昭和48年から、近親交配による発育能力の低下防止などの目的から名古屋コーチンの新系統開発に取り組み、肉用(雌親)の「NGY2」は昭和59年、同(雄親)の「NGY3」は平成3年に開発。NGY4(雌親)と5(雄親)は卵用で、6が4の後継として平成33年に完成予定となっている。
『NGY7』は、平成16年から開発を進めた肉用の雄親(雄系の種鶏)で、NGY3の後継系統となる。愛知県の「名古屋コーチン」と、岩手県で保存されていた「名古屋コーチン」を素材とし、NGY2と4の交配鶏を雌系の種鶏として実用鶏(コマーシャル鶏)を生産する。
NGY3系統の実用鶏に比べて、①産肉性が優れている(250日齢時のオスの体重は、4.01キログラムから4.44キログラムに)②丈夫で飼育環境の変化などのストレスに強い(育成時の生存率は95.2%から98.9%に向上)――などの特長がある。
開発した『NGY7』は今年5月中旬ごろに、国内唯一の名古屋コーチン増殖機関となっている愛知県畜産総合センター種鶏場に移し、増殖を開始。来年春ごろには、民間の孵卵場へのひな供給が始まり、平成31年の夏には、同系統から生産した鶏肉が出荷されると見込まれている。

【発育と産肉性がより優れた『NGY7』系統】

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