鶏ひなの雌雄を見分ける『内視鏡鑑別法』開発 農研機構畜産研究部門

農研機構の畜産研究部門(茨城県つくば市)は7月26日、改良した内視鏡で鶏ひなの雌雄を見分けることが可能な『内視鏡鑑別法』を開発したと発表した。
管径が細い小動物用の内視鏡に手を加えたもので、総排せつ腔から直腸内に挿入し、直腸壁をパソコン画面上に映し出して精巣か卵巣かを確認する。多種多様な鶏の雌雄を調べることができ、作業者が1週間ほど訓練するだけで、鑑別精度と作業速度の向上を期待できる。今後は養鶏関係者の意見を取り入れながら、民間企業と協力して1~2年後の実用化を目指す。
従来の肛門鑑別法は訓練を受けた特殊技能者(鑑別師)しか出来ず、最も普及している羽毛鑑別法も改良された限られた鶏種にしか使えないという課題がある。チックテスターと呼ばれる光学機器(接眼レンズ)をのぞき込む機械鑑別法は判別に時間がかかるため、同部門によると現在は一部の養鶏施設のみで使われている。
新たな内視鏡鑑別法の開発について同部門では「容易かつ高精度に判別でき、操作経験を積めば6~7分で100羽をミスなく鑑別できるようになる。羽毛鑑別や肛門鑑別の使用が難しい鶏を飼育管理している試験・研究施設などでは内視鏡鑑別法の導入が効果的」としている。
同部門の試験では、内視鏡鑑別法を3日間だけ訓練した人が白色レグホン種を見分けたところ、鑑別率は91.1%、ロードアイランドレッド種では88.3%だった。

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