全農、飼料工業会で105万トン 27年産の飼料用米需要量

農林水産省は12月5日に公表した「米に関するマンスリーレポート」で、26年産の飼料用米の作付面積が前年比55.4%増の3万3881ヘクタール、計画生産量は同54.7%増の17万8486トンになったとした。ただ、作付面積、生産量とも過去最高の24年産に及ばなかった。
『飼料用米の推進、需要量』への農水省の取り組みについては、「畜産農家から新たに寄せられた約7.3万トンの供給希望に対し、生産要望のある耕種農家とのマッチングを実施(達成率は件数で約7割、供給量で約3割)。さらに、日本飼料工業会からは直近で41万トン、中長期的には約200万トンの使用が可能との発表があるなど、配合メーカーからの要望も寄せられ、これらのマッチング活動を推進している」とした。ただ、日本飼料工業会の会員メーカーが確保できた26年産飼料用米は、前年を約2割上回る4万4000トン(見込み)にとどまった。
農水省では、27年産飼料用米の生産・利用拡大に向けては、「全国・地方ブロック、各県(地域)段階において推進体制を整備し、生産・流通・利用の各種課題の解決に総合的に取り組む」としている。
具体的な飼料用米の集荷・流通体制については、耕種農家は自ら需要先の確保を図る必要がなく、飼料用米の生産に取り組むことが可能になるように農協に出荷する。
農協はカントリーエレベーターや耕種農家で乾燥した飼料用米を地域の農業倉庫で保管する。
農協と出荷契約を締結した全国団体は、飼料メーカーの要望に応じ、工場近くの営業倉庫で開袋・バラ化作業を行ない、工場に搬入する。
飼料メーカーは、トウモロコシの代替として飼料用米を配合し、畜産農家に配合飼料を出荷する(工場は在庫として飼料用米を保有せず、計画的に受入・配合)。
農水省では、約2350万トンの配合飼料生産量のうち、畜種別の米の利用可能量を試算し、採卵鶏用で約20%の123万トン、ブロイラー用で約50%の193万トン、養豚用で約15%の89万トン、乳牛用で約10%の31万トン、肉牛用で約3%の13万トンの計449万トンの利用が可能としているが、課題である(1)配合飼料の主原料(トウモロコシなど)と同等またはそれ以下の価格で供給(2)工場への長期的かつ定期的な供給と集荷・流通の円滑化(例えば、半年程度前から供給量の調整を行ない、計画的に搬入)――などがクリアできれば、飼料工場での受入量の増加が可能としている。
27年産飼料用米の需要量については、全農グループ飼料会社で年間64万2000トン(MA米、備蓄米を含む)、日本飼料工業会組合員工場で年間40万8000トン(MA米、備蓄米を含まず)の計105万トンの需要量があるとしている。このほか畜産農家の直接需要もあるものとみている(26年産の新規需要量は7万3000トン、27年産は27年1月にまとめる予定)。

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