3年メドに食肉の種類ごとの生食規制を検討 厚労省の乳肉水産食品部会

厚生労働省は8月2日、薬事・食品衛生審議会食品分科会の乳肉水産食品部会(部会長=山本茂貴東海大学海洋学部教授)を開き、食肉の生食のリスクについて検討することを決めた。
政府は平成23年4月に飲食チェーン店でユッケによる食中毒事件が発生し、5人の死者と多数の重症者が出たため、生食用の牛肉について同年10月に食品衛生法に基づく規格基準を策定。牛の肝臓については、肝臓内部から腸管出血性大腸菌が検出されたことから、24年7月に生食用としての販売を禁止し、牛(肉・肝臓)と馬肉以外の食肉の生食の取り扱いは今後の検討課題としていた。
その後、一部の地域で豚の肝臓が生食用として提供されるなど、これまで生食用として提供されていなかった食肉が、規制された食品の代替として提供される可能性もあることから、食肉の生食のリスクについて検討することにしたもの。
検討の対象は牛の内臓(肝臓を除く)、豚、鳥、鹿、猪などで、25年度は牛の内臓について検討する。対象が多岐にわたるため、3年をめどに食肉の種類ごとに順次、検討を進める。
対象となる食肉の種類ごとに、飲食店などで生食用として提供されている実態や、関係業界でのリスク低減への取り組み、食中毒の発生状況、食中毒の原因菌の汚染実態と毒性などを調査する。
リスクの大きさに応じて、食肉ごとに衛生基準目標(ガイドライン)や規格基準の策定、販売禁止などの規制が必要かどうか検討する。また、(1)食肉を生食用として提供する事業者をあらかじめ把握して監視・指導する(2)消費者が食中毒のリスクについて理解しやすいように警告表示する(3)食肉の生食について国民的な理解を向上させる――などの新しい手法についても検討する。

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