採卵鶏は悪化、ブロイラーはやや改善 日本政策金融公庫の平成24年農業景況調査

(株)日本政策金融公庫は3月19日、今年1月にスーパーL資金と農業改良資金の融資先2万1376経営を対象に実施した平成24年(1~12月)の農業計協調査の結果を公表した。有効回答数は7408(34.7%)。
【経営DI】農業全体の景況判断状況を示す景況DIは、前年(23年)のマイナス7.9%から平成24年は21.1ポイント上昇して13.2となり、平成16年以来8年ぶりにプラスに転じた。
業種別では、全13業種のうち施設野菜や果樹など5業種がプラスに転じ、うち畜産では肉用牛がマイナス47.7から8.3へと改善した。ブロイラーは24年秋以降の相場の回復を反映して、マイナス6.3からマイナス1.3へ若干の改善となった。養豚はマイナス6.2からマイナス38.1、採卵鶏は年明けから相場が軟調に推移したため、8.4からマイナス40.6へとそれぞれ悪化した。
平成25年の見通しについては、農業全体では前年比5ポイント減の9.2、うちブロイラーは前年比8ポイント減の9.3へと悪化する見通し。採卵鶏は55.1ポイント増の15.7へと改善する見通しとなっている。
【後継者確保】後継者の確保状況を聞いたところ、「家族・親族に後継者または候補者がいる」との回答割合が63.6%で最も高く、「家族・親族以外の後継者または候補者がいる」との回答は4.3%であった。業種別では、ブロイラーの82.7%が最も高く、果樹(60.6%)が最も低かった。採卵鶏は64.1%。
後継者選びのポイント(6つの選択肢から2つまで選択)を各業種に聞いたところ、採卵鶏では「経営管理能力」が70.4%と突出して高く、次いで「家族・親族かどうか」46.9%、「農業への熱意・意欲」42.9%となった。「経営管理能力」が「家族・親族」を上回ったのは、きのこ、酪農(北海道)、採卵鶏の3業種のみ。どの業種よりも採卵鶏が高かったのは、生産だけでなく、販売や人材管理が重要となっているとみられる。
ブロイラーでは、「家族・親族」の割合が68.2%で、全13業種中最も高く、次いで「農業への熱意・意欲」47.0%、「経営管理能力」43.9%の順。
「農業技術力」は、どの業種も10%前後にとどまった一方、「人望などの人柄」は、養豚(21.6%)と採卵鶏(21.4%)で高かった。

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