4月の卵価 需給緩み春相場へ 価格差補てんの可能性も

鶏卵相場(東京・M加重)は、2月までは前年を上回って推移していたが、3月に入って3週連続で月曜日に値を下げ、月間平均は175円、月間の標準取引価格も基準価格の185円を下回った(24年度は財源不足で補てん打ち切り)。4月1日(月曜日)は、前年(4月2日)を5円、前月(3月2日)を20円下回る170円でスタートしたが、このまま推移すると、新年殿4月早々から鶏卵生産者経営安定対策事業の価格差補てんの対象になる可能性もある。

2月までの鶏卵相場を下支えしたのは、恵方巻き需要やひなまつり用の手当て、コンビニのおでん需要、大手牛丼チェーンの卵を使った各種メニューの発売などだ。2月が決算年度末のスーパーの特売も盛んだった。
なかでも牛丼チェーン各社は、昨年から卵を使った新メニューを相次いで発売し、鶏卵業界関係者からも、相場の浮揚に貢献したとの評価が高い。ゼンショーグループのすき家は昨年5月に、「たまごかけごはん朝食』(200円)、昨年11月21日には、国産鶏肉を使った卵付きの『とりそぼろ丼』、今年1月17日には、同商品をリニューアルした『新とりそぼ丼』(280円)を発売し、新たなレギュラーメニューとなっている。
吉野家ホールディングスは昨年11月末に『焼鳥つくね丼』(並盛り390円)と、半熟卵が乗った『半玉焼鳥つくね丼』(同440円)を発売し、同12月末には累計300万食を突破するなど好調。定番商品の1つとして、現在も一定のシェアを維持している。
松屋フーズは今年1月17日から3月上旬まで、卵付きの冬季限定メニュー『牛すき焼き御膳』(490円)を販売した。
ただ、卵の需要に関連したイベントは、終了すると必要量が急激に減少するほか、期間限定などの新商品の人気も、発売直後は大きく高まるものの、徐々に一定のカーブを描いて落ち着いてくるとのこと。
3月は需要を支えたイベントや特売が一段落し、学校給食も中断する中で、卵の生産は急に調整できないうえ、産卵に適した季節となって需給が緩み、下旬は“アベノミクス”効果による行楽需要の拡大に期待がかかり、加工筋の手当てが一時的に活発化したほか、大手ファストフードチェーンのプロモーションや花見需要などもあって、何とか保ち合ったもの。
当面の鶏卵生産について関係者の見方は、減産の動きも見えず、一部の大手で増羽計画もみられることから、引き続き潤沢な出回りを予想する向きが多い。
ひなえ付け羽数は震災のあった平成23年以降、減少傾向が続いているものの、24年(1~12月)の鶏卵生産量は前年比1%増の250万トン台を回復した。え付け羽数の減少分を鶏の性能や生産性の向上などでほぼカバーしているためで、この基調は25年に入っても続いているとみられる。
需要面の好材料としては、大手ファストフードチェーンが直近の販売環境や売れ行きなどを勘案しながら、4月下旬以降も卵を使ったプロモーションを検討しているほか、卵を使った付加価値の高いスイーツの販売なども順調のようだ。3月は少なかったスーパーの特売も、4月はゴールデンウィーク前の中旬ごろから回復してくる見込み。さらに、今年のゴールデンウィークは、円安に加え、海外には出づらい3、4日間の短い連休が続く。このため「東北は桜の見ごろと重なるため、国内の行楽需要の伸びに期待したい」との声も聞かれる。
ただ、4月上旬までは学校給食が中断しているほか、景気回復が消費増に結びつくまでには、なお時間がかかり、消費者の節約志向も依然続いている。さらに一部のスーパーでは、生産・流通サイドに一層の値下げを要求しているとの話もあり、卵全体の販売環境は、相変わらず厳しい。
このため、4月の相場は、中旬ごろまでは例年並みの保ち合い傾向で推移し、下旬からゴールデンウィークにかけては上昇も弱く、前年並みの190円に届くかどうか不安視する向きもある。
4月から新年度となる鶏卵生産者経営安定対策事業の補てん基準価格は1円アップの186円。JA全農たまごの東京・大阪の全規格加重平均から計算される4月の月間標準取引価格が基準価格を下回り、価格差補てんとなる可能性もあるとみられている。
5月以降の相場について荷受関係者は「需給環境は非常に不透明だが、連休後の下げが、あまり小刻みになると、かえって谷が深くなり、昨年の160円台を下回る低水準になりかねない」と心配している。

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