ハーブ村事業15周年祝う 売上高150億円を目指す 日清丸紅飼料

商系配合飼料メーカー最大手の日清丸紅飼料(株)(山西啓士社長―本社・東京都中央区日本橋室町4-5-1)は11月27日、東京都港区のホテルオークラ東京で、ハーブ村事業15周年記念パーティーを開いた。
1969年に、日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)と共同開発したハーブを加えた配合飼料によるチキン生産は、その後、ブランド畜水産物を取り扱う「ハーブ村事業」へと着実に発展。現在では豚、牛を含む4畜種7魚種にまで広がり、今年度の売上高は100億円を見込んでいる。
パーティーに先立つ記者会見で、長沼郷企画推進部長は、『医食同源』の考え方を配合飼料製造に生かし、家畜の健康に貢献するとともに、安全で良質な畜水産物を提供することを狙いとしたハーブ村事業を、年間出荷7万頭のハーブ豚を例に説明。
オレガノ、シナモン、ジンジャー、ナツメグの4種類のハーブを加えた配合飼料(配合率は特許を取得)を給与して生産した豚肉の脂肪酸化度は、一般の豚肉に比べ20%くらいに抑えられ、ドリップ量、臭いもそれぞれ約25%低下することから、「7割以上の消費者が、ハーブ豚はあっさりしていて、臭いが気にならないと答えている」「一流の中華料理長も、豚肉の脂がさっぱりしていて、臭みや、ドリップがなく、おいしいため、香辛料や味付けで特別に引き立てなくても、そのまま料理できると褒めている」などと紹介した。
同社では今後、ハーブ畜水産物を採用している顧客との間で、商品の企画開発、研究所レベルでの連携深化を図る一方、消費者の認知拡大に向けたPRと情報提供を積極的に行ない、2016年までに売上高150億円を目指す。
パーティーであいさつした山西社長は「ハーブ村事業は平成8年にスタートし、昨年が15周年であったが、東日本大震災が発生したこともあって、1年遅れで15周年記念パーティーを開催することになった。ハーブ畜水産物は、あっさりして、非常においしく、鮮度が長持ちするなどの特徴を持っており、大変好評を得ている」とし、関係者の協力を得て4畜種7魚種にまで拡大できたことに謝意を表した。
その上で「現在のデフレ経済、少子高齢化の環境の中で、わが国の食品業界は大変厳しい状況に置かれている。飼料・畜水産業界においても、飼料原料となる穀物価格が高騰する一方、畜水産物の価格低迷で、非常に難しい時代を迎えている。このような時代だからこそ、これまで以上に皆様方と連携し、ハーブ畜水産物を生き残っていける魅力あるブランド商品、差別化商品として開発し、消費者にもっとアピールしなくてはいけない。今後ともハーブ事業拡大のため、引き続きご協力をお願いする」と述べた。
来賓として出席した元日本ケンタッキー・フライド・チキン社長で現(株)ジェーシー・コムサの大河原毅代表取締役CEOがハーブ鶏を始めた頃の思い出、(社)日本中国料理協会の斉藤隆士最高技術顧問と、(株)ホテルオークラ東京の梁樹能取締役中国料理名誉総料理長がハーブ豚の長所・特性などに触れながらあいさつした。ハーブ村事業に関係した各社を代表する8人による鏡開き、米濱和英(株)リンガーハット会長兼社長の発声で乾杯し、なごやかに歓談。ハーブ赤鶏、ハーブ豚、ハーブ牛、ハーブぶりを使った料理の数々を堪能した。この間、ハーブ豚を生産している(有)江原養豚の江原正治社長が生産者としての体験を述べ、伊藤博康日清丸紅飼料副社長の閉会のあいさつで散会した。
【ハーブ村事業15周年記念パーティーでハーブ畜水産物を使った料理を試食】

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