原卵輸送システムで見学会 宮崎のフュージョンで

(株)ハイテム(安田勝彦社長―本社・岐阜県各務原市テクノプラザ2―10)は10月25日、オランダのプリンツェン社、ツインパック社と提携して普及に努めている省力、省エネ、省スペース(0.9×1.2メートルサイズパレットに1万卵余)の次世代原卵輸送システム「エッグカーゴシステム」の現地見学会を、第1号納入先のフュージョン(株)(赤木八寿夫社長―本社・宮崎県都城市高城町穂満坊1001―1)で行なった。
見学会には大手生産者や、鶏卵販売会社の関係者ら約30人が全国から参加し、今年8月から稼働を始めた時間24万卵処理のGPセンターに導入された「エッグカーゴシステム」の稼働状況を見学後、同社会議室でハイテムから、同システムの導入にかかわる経済性について説明を受けた。
この中で、100万羽以上のオペレーションへの導入を前提とした概算投資額が明らかにされ、「エッグカーゴ用トレー、パレットが20円/羽。農場に設置するパレットローダが900万円(ただし、テーブルリフターを設置すれば、手作業でも合理化は可能で、フュージョンはこの方式でスタート)。GPセンターに設置するデパレタイザーが1900万円――となるが、一方で人件費や輸送トラックの台数が削減されるため、2~3年で投資回収が可能」とし、参加者の高い関心を呼んだ。
見学会にはプリンツェン社社長と、エッグカーゴ用トレー、パレットを供給するツインパック社の担当者も出席し、2000年から始まったエッグカーゴシステムの開発の経緯や、現在の普及状況を説明した。
最後にフュージョンの赤木社長が、ユーザーの立場から「全体のシステムが順調に流れるまで1か月ほどかかったが、エッグカーゴシステムの導入によって原卵の取り扱いが飛躍的に改善し、採用を決定した目論見通りであった。
GPマシンが時間12万卵以上の場合、原卵の供給はこのシステムを導入しなければ所期の成果が上がらないのではないか。農場でのパレットへの卵の積み込みは現在、手作業で行なっているが、主力農場には来春にパレットローダを導入し、さらに合理化を進めたい」と述べた。
ハイテムでは、フュージョンでの導入効果の実証を踏まえ、今後さらにエッグカーゴシステムの普及に力を入れたいとしている。
【フュージョンで順調に稼働中のデパレタイザー(写真左)。原卵はパレット上に整然と積まれ、省スペースを果たすと同時にリフトによる効率作業を実現(写真右)】

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