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業界一丸で課題解決を 2010.07.25発行 政治も、経済も不安定で不透明。消費の冷え込みと低価格志向が続く中で、鶏卵、鶏肉とも先行きが見えない厳しい経営環境が続いている。 加工筋などの手当てから、6月に一時的に上昇した鶏卵相場は、消費が伴なわないために、7月に入ると再び下落に転じた。成鶏を出荷して60日以上の空舎期間を置くと、1羽100円以内の支援金がもらえる「成鶏更新緊急支援事業」は、初めての助成事業で、しかも参加条件が厳しかったこともあって、予算規模を下回る約1000万羽弱にとどまっている。鶏の生産性の向上、増羽動向、円高による液卵や粉卵などの輸入増などによっては、「秋口から年末にかけての相場上昇が期待できなくなる」と懸念する声も聞かれる。 食鳥相場も、むね肉が比較的堅調であったため、もも、むね合計で800円前後で推移しているものの、もも肉の荷余り感は強い。輸入量が徐々に増加傾向を見せているため、相場の先行きは心配だ。 むね肉については、抗疲労効果が、TVや雑誌などで取り上げられ、料理メニューも数多く提案されたことが、むね肉の相場を押し上げる一因にもなったとみられる。割安で、良質な高たん白、低カロリーな健康維持食品としての鶏肉を、業界が一体となって消費者に懸命にアピールしなくてはいけない。 鶏卵についても、日本養鶏協会や日本卵業協会で『産出額7000億円』や、『1日2個の消費』を目標に、新たな消費促進策が検討されていると聞く。消費者から真に共感を得る取り組みをすることで、さらなる消費の拡大につなげることだ。 日本の養鶏が抱える諸課題を解決するには、業界や関係者の自助努力だけではもはや駄目で、一定の政治的パワーを持たなくてはいけない。昨年の衆院選挙で政権交代が実現した中で、特に採卵養鶏業界のパワーが認められ、22年度の養鶏(鶏卵)予算の確保や、飼料用米生産への支援、飼料用麦の部分的な規制緩和などの政策転換に結びついた。今回の参院選挙の結果によって政治の不透明化が大きくなったが、最も効果的なパワーを今後も発揮することが大事だ。 特に、宮崎県で10年ぶりに発生が確認された偶蹄類に特異的に感染する口蹄疫では、ワクチン接種した家畜を含め、約28万頭の牛や豚が処分され、養鶏産業にとっても、対岸の火事と言ってすまされない。 宮崎県の口蹄疫ウイルスの遺伝子は、今年韓国で8年ぶりに流行したウイルスとは98.5%、香港のウイルスとは99.2%の一致がみられた。鳥インフルエンザ(AI)の脅威にさらされている日本の周辺国の韓国、北朝鮮、中国、台湾、香港では、今もAIの発生が続いている。 「殺処分と移動制限を柱とする一方的な取り締まりだけでは、養鶏産業は崩壊する。被害農家や関連する企業にも十分な補償が伴なわなければならない」と訴えてきた養鶏業界の主張が正しかったことが、今回の宮崎での口蹄疫でも証明された。口蹄疫では、口蹄疫対策特別措置法が成立し、鳥インフルエンザでは考えられなかったような救済策が講じられた。今後は鶏を含む全畜種が救済されるような家畜伝染病予防法の改正になるように、養鶏業界が一丸となって粘り強く要求していくことだ。
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