人気高まる青森シャモロック 生産体制も充実、拡販へ

コクのある肉質と濃いダシが出ることが特長の、青森県の特産地鶏「青森シャモロック」は、県内のデパートやスーパー、ホテル、専門料理店などで高く評価されてきたが、最近では首都圏の量販店やホテル、専門料理店でも人気が高まり、注目されている。
青森シャモロックは、青森県畜産試験場が長年にわたって改良してきた、味に定評のある「シャモ」と、肉が柔らかくダシのとれる「横斑プリマスロック」を掛け合わせて開発した。平成13年からは宮内庁の御料牧場に継続的にひなが出荷され、同牧場で飼われたシャモロックが、各国要人を招いて開かれる晩餐会や園遊会などの皇室関係の食卓を飾っており、知る人ぞ知る高級地鶏。
県内では青森県畜産試験場でふ化したひなを五戸町の(有)青森県農産物生産組合(北恵太郎社長)と、六戸町の六戸シャモロック生産組合(母良田昭組合長)などで飼育している。
飼育スペースは特定JAS規格の基準(1平方メートル当たり10羽)の倍の1平方メートル当たり5羽の伸び伸びした環境で約120間放し飼いされる。飼料には、青森特産のガーリック粉末を添加している。
この結果、肉中のビタミンB1が普通の鶏肉に比べ2.5倍増になっているほか、肉の美味しさの官能評価も高い。また、鶏肉のうまみ成分を示すグルタミン酸とイノシン酸濃度の測定試験では、名古屋コーチンに比べて高いことが明らかになっている。
県の施設でひなをふ化していた制約もあって、これまでは年間2万羽の生産にとどまっていたが、昨年10月には、生産者13人による「青森シャモロック生産者協会」(母良田昭会長、事務所―青森県三戸郡五戸町字市川道十文字3-10、(有)青森県農産物生産組合内)も発足、今秋からは青森県農産物生産組合でふ化を開始し、17年度は4万羽、18年度は11万羽に拡大することにしている。

コメントを残す