鶏肉とカンピロバクター食中毒でQ&A 東京とがまとめる

東京都食品安全情報評価委員会は7月9日、同会に設置された微生物専門委員会で検討してきた「カンピロバクター食中毒の発生を低減させるために」をまとめ、石原慎太郎知事に報告した。
東京都では近年、カンピロバクター食中毒が全国的に増加し、その原因に鶏肉の関与が多く指摘され、鶏肉が都民の食生活で日常的に利用されていることから、評価委員会の専門委員会で約1年をかけて検討していたもの。
カンピロバクター(ジェジュニ、コリ)は、牛、豚、鶏などの家畜、家きんなどの消化管内に広く保菌されているが、東京都の調査では、鶏肉から比較的高率に検出されている。このため専門委員会では、カンピロバクターの特性を理解し、消費段階で食中毒を防止するために(1)適切な加熱調理方法(2)鶏肉を取り扱った調理器具や手指からの2次汚染防止対策(3)生または生に近い鶏肉を食べることによる食中毒発生リスクの周知――などを取り上げてQ&Aでまとめた。
このほか、鶏肉のカンピロバクター汚染の制御には、養鶏場や食鳥処理場での対策が不可欠であるが、東京都単独では対応が難しいため、国や他の自治体などに、食材の衛生状態を適切に把握できるカンピロバクター検査法の開発と普及、さらには養鶏場・食鳥処理場におけるカンピロバクター汚染実態の把握と汚染防止策の推進などを求めていくことにしている。

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