15日に東京で鳥インフルエンザ対策国際シンポジウム ワクチン問題を中心に

日本鶏卵生産者協会(梅原宏保会長)は、6月15日午後1時から東京・平河町の海運ビルで「鳥インフルエンザ対策国際シンポジウム」を開く。
79年ぶりに日本でも発生した鳥インフルエンザは、一応、終息とはいうものの、養鶏関係者は、いつ、またどこで発生するか、といった不安にさらされている。しかも発生すると、即倒産になりかねないため、強い危機感を抱いている。農林水産省の摘発・淘汰による防疫対策に対しては、個々の経営が存続できる対策の確立と、より有効な防疫対策としてのワクチンの使用を強く求めてきた。
鳥インフルエンザの防疫措置に伴う補償については、家畜伝染病予防法が今国会で改正され、一定の補償が行なわれることになったが、ワクチンの使用については、いまだ結論は出ていない。
このため同協会では、ワクチンの使用によって鳥インフルエンザの制圧に大きな成果を上げた国から専門家を招き、その最新の理論とノウハウ、特に防疫対策においてワクチンの果たす役割などを学ぶために国際シンポジウムを開くことにしたもの。
シンポジウムでは、小澤義博OIE(国際獣疫事務局)名誉顧問をコーディネーターに、パネラーとしてイタリア国立ベネチア家畜衛生研究所科学技術部長のステファーノ・マランゴン博士、香港大学名誉教授のK・F・ショートリッジ博士、アジア・太平洋獣医情報サービス理事のレスリー・デービット・シムズ博士が出席して、ワクチン使用を中心とした鳥インフルエンザ防疫対策について意見交換する。また、イタリア国立家畜衛生研究所ウイルス部長のイラリア・カプア博士が「鳥インフルエンザ感染危険地域での制圧戦略」としてビデオメッセージで参加する予定。
同協会では「鳥インフルエンザの感染経路はいまだに解明されておらず、アジア各国では依然としてまん延しているため、特に今秋以降、日本国内の養鶏密集地帯での大発生を懸念している。次の発生に備えるためにも、海外で鳥インフルエンザ防疫対策の経験を有する第一線の専門家から理論やノウハウを学び、ワクチンの早期実用化に結びつけたい」としている。

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